口腔ケア

1.口腔ケアと目的

口腔ケアとは、歯磨き等によりお口の中を清潔にすること、また、リハビリにより「食べる」「話す」「呼吸する」というお口の三大機能の回復を指します。

お口の中を清潔に保っていれば、誤って唾液が気管に流れ込んでも綺麗な唾液なので誤嚥性肺炎(*)の防止を防ぐことが出来ます。
また、お口が清潔になり「食べる」「話す」「呼吸する」機能が向上することにより口臭改善、味覚上昇が発揮され、食べる意欲、外出する意欲が湧いてきます。

つまり「口腔ケア」とはQOL(*)の向上に繋がるのです。

(*)誤嚥性肺炎・・・お口の中の細菌が誤って気管に入り肺に流れ込んで生じる肺炎。
(*)QOL(クオリティ・オブ・ライフ)・・・心 身の健康を保ち、趣味、楽しみ等を見出し人生を幸せに過ごせるかの生活の質。

2.高齢者の口腔内の特徴

歯ぐきも弱り、歯垢が沢山つい
ています。
綺麗になりました。歯ぐきもピ
ンク色です。

高齢者のお口の中は、むし歯や歯周病により歯が失っている事がほとんどです。
また、老化による唾液量の減少や免疫機能の低下、自浄作用(*)の喪失、さらに柔らかいお食事や不十分な歯磨きによりお口の中の環境は悪化していきます。

 

 

特に要介護者は、どうしてもねばねばしたお食事になったりご自身での歯磨きが出来ない事、さらに飲み込む機能が低下している為、誤嚥性肺炎の危険を考えなければなりません。

(*)自浄作用・・・お口の中で言えば、お口の中の細 菌、食べ物を舌の動きや唾液の成分等で分解し浄化する こと。

3.口腔ケアの内容

1.歯磨き

ハブラシ 歯間ブラシ

歯肉が弱っている方には柔らかめのハブラシやワンタフトブラシ(小さなハブラシ)、歯間ブラシ、
スポンジブラシを使用します。

2:舌清掃

舌清掃用具で舌苔(*)を除去します。

(*)舌苔・・・舌に付いている白い苔。食べ物や細菌の塊。口臭や味覚減少の原因になります。

3:唾液腺マッサージ

お口を動かしたり唾液腺(*)を指で刺激し唾液を出します。
唾液があることにより、むし歯が予防されたり食べ物を美味しく安全に飲み込む事が出来ます。

 

(*)唾液腺・・・唾液が分泌する腺。大きく、耳の横、顎の下、舌の下の三か所があります。

4:口腔体操

舌、頬、唇を動かし「食べる」「話す」「呼吸する 」機能を高めます。

口腔体操は以下のように行います。

1.深呼吸

2. 頬をふくらます

3.唇をすぼめる

4.首をまわす

 

5. 両手を上げたり下げたり

6.舌を上下左右に回す

7.唇を左右に引っぱる